激暑それに新型コロナ禍の夏、如何お過ごしでしょうか。これまでに経験したことのない予測不可能な未知との闘い、ほんものの人智が試される「時」が到来しています。
正しく恐れて対処する、「命」優先の思想と実行が肝要であることに気づく「時」です。
この冊子、私が関与した部分は新型コロナの出現がなければ記事にならなかったでしょう。
昨年の秋、千葉県鴨川市で1906年創業の老舗の観光土産品の製造販売会社の社長と設計・施工を請け負う業者の方が来所されたのがことの始まりでした。
施主と施工会社の会長は「愛工房」で乾燥した木材の良さは既にご存じで、計画中の倉庫・事務所棟と社宅棟2棟に使う木材は全て「愛工房」材を使用したいとの意向でした。
2棟とも平屋建て50坪の建物、構造材、仕上げ材、外壁材も全てを「愛工房」で乾燥した木材を使用することで準備が順調に進んでいた折に新型コロナウィルスの出現です。
3月に入り1棟目の倉庫・事務所棟の構造材の納材が数日後に迫り、仕上げ材及び外壁材等の発注書を製材所に出した翌日、建築会社の社長からの電話に仰天しました。
それは、これまでに打ち合わせて取り決めていた資材をキャンセルしたいとのことでした。理由として新型コロナのことが原因だと言われると強く反論できません。
直ぐに製材所にその旨を告げると絶句し、翌日には厳しい抗議文がメールで届きました。
建築会社へ電話を入れ三日後、抗議文を持参し鴨川へ赴き施主を交えての打ち合わせをしました。その際、呼吸建材を使って安く上がる方法の資材と、使用法等の提案をしました。
特にこれから先のウィルスと共生の時代には生きた木材を使うことの重要性を訴えました。
後日、業者の社長は施主から「伊藤さんの言うとおりにやってくれ」と言われたそうです。この日、2棟目の建物が施主の終の棲家であることを知りました。
誰だって「命を害するものにしますか、命に良いものにしますか」と問われると答えは一つでしょう。ただし、本物に対する正しい情報と知識、それに感性があってのことですが。
これで、私が今までに関与してきた建物に設置してきた看板(ウィルスに関しては今回初)を出すことができました。お蔭で室内外での電磁波対策の電気工事の協力もできます。
”それは、人を幸せにしますか” これは、来春80歳になる私の「はたらく(傍楽)」目的です。
世論時報、昨年2月号『森林大国の可能性』の特集で「愛工房」を”木を生かす奇跡の木材乾燥技術”として紹介した記者に鴨川の建築の経緯について電話をすると是非取材したいとのこと、これが7月号の記事となり、8月号の特集となった次第です。
なにが起こるかわからない時代にこの地球に生きる私たち、それでも、夢と希望を持って、全ての「命」を大切に、限りある「時」を、有意義に生き抜くことを念じています。
ご健康ご多幸をお祈りいたします。
2020年8月吉日 伊藤好則