杉の棺桶が縁で千島学説研究会での講演

島根県江津市の、あうん健康庵の小松健治先生から、5月に東京で開催する、千島学説研究会東京セミナーにおいての、講師依頼の電話があり驚かされました。
先生に驚かされるのは2度目です。前に自宅の床のリフォームに「香素杉」を使って頂いたあと、とんでもない電話をいただきました。
棺桶用の杉板を用意してほしい、との電話に、「どなたの棺桶ですか」と聞くと、自分か奥さんのどちらかが使う分とのこと。
杉の床板を体がよほど気に入ってくれたのか、驚きと同時に嬉しくなりました。
やはり、白い方が良いのか、少し赤身もある方が、温かい感じもするし、と想いをめぐらしてお送りすることに。程なくして製品になった棺桶の写真が送られてきました。
見事な出来栄えでした。この中に入ると気持ち良くて起きてこないのではないか、ん、本当に必要になったときは起き出すわけがないのにそう思いました。
ところが、2013年9月に行われる、第7回健康セミナー山口大会の資料が送られてきたのを見て驚きました。巻末講演 お棺木浴を楽しみつつ、死生観を醸しての気づき・小松健治・とありました。ここに、棺桶を持ち込み披露するとお聞きしました。
先生が出版された、『医者が学んだ祈りの力』(幻冬舎)の中の一節では“クギを1本も使わず、開き扉にちょうつがいのある棺桶です。「お棺木浴」を体験したのは、誕生日の5月15日でした。まず、私が妻に「生前は大変お世話になり、ありがとうございました。先にみらいへ行きます」と神妙に挨拶してお棺に入りました。しかし、「さあ、死生観を醸そう!」としたのも、つかの間、杉の香りにたちまち全身が包まれ、温かくて、呼吸が深くなっていき、すぐに寝入ってしまいました”と、案じた通りです。
正式に講演の依頼があったあと、主催者の仁志天映先生親子と小松健治先生の家族の方々が愛工房の「杉浴」に来られ、杉の素晴らしさを堪能されました。
平成29年度「千島学説研究会東京セミナー」が5月20日と21日に豊島区医師会館で開催されます。5月21日の最終講演、演題は『樹と人に無駄な年輪はなかった』です。
棺桶の縁から始まったので、最終演者なんですね。

船井幸雄.com コラム
2017.05.10(第77回)より